皆さんは「混群(こんぐん)」ってご存知ですか?

小鳥たちは同じ木の中でも「住み分け」をすることにより
餌の奪い合いを避けて共存しています。
例えばシジュウカラは木の下層から地表、ヤマガラは木の上層部、
ヒガラは木の枝先、コガラは木の中層、ゴジュウカラは木の幹と
言った具合に上手く住み分けて仲良く生きてます。
これを混群と言って互いに戦わず生き残る為の知恵ですね。
この小鳥たちの知恵を介護・福祉タクシー業界も学びたいと思います。

まずは公共交通機関を地域の大木だと考えましょう。

その枝には救急車をはじめ民救、介護・福祉タクシー
(大型・中型・小型)、介護保険タクシー、介護・障害施設送迎車、
UDタクシー、普通タクシーなどが木の枝を走っています。
介護・福祉タクシーは隣の木の飛行機、ヘリコプター、鉄道、
ステップバス、船舶または病院、介護・障害施設、居宅事業所、
包括、旅行業者などとも枝が絡み合い、別の木にも看護士、
ケアマネ、ガイドヘルパー、家政婦などとも密接に連携してます。

ここで一番住み分けをはっきりして置かないといけないのは
介護・福祉タクシーとUD(ユニバーサルデザイン)タクシーとの                    区別です。

昨今、国はUDタクシーの導入を勧めてることもあり、
街で走ってるのをよく見かけるようになりました。
このUDタクシーは車イスに乗った方も利用出来ます。
まだ車の仕様の改善やドライバーの教育など問題点はありますが、
あと数年もすると普通のタクシーが全てUDタクシーに替わると
言っても過言ではありません。
街で乗りたいときに手を上げれば車イスの人も簡単に乗れる                   時代は来ています。

それは同時に介護・福祉タクシーの死活問題でもあります。

しかしUDタクシーだけで車イスの利用者様を全てカバー出来る
わけではありません。
UDタクシーの一番の問題点は介助が出来ないということです。
お迎え先か道で利用者様を乗せて目的地に降ろすだけです。

そこで介護・福祉タクシーとUDタクシーの役割と料金を
利用者様に理解していただき、住み分けをはっきりしようと考えます。

介護・福祉タクシーはベッドからの身体介助や車イスへの移乗、
階段昇降介助、病院での受付、退院の片付け、院内介助、
買い物などの付き添いと、車に乗るだけではなく利用者様の数だけの
困ったを出来るだけ聞きます。
ただ利用者様を車に乗せて走るだけではありません。

それを価値だと認めてもらえる利用者様に対応する料金設定を、
法的にも守られるように今後は国に提案していきたいと思います。

一案として介護・福祉タクシーの作業量に見合った2500円
(現在の30分の貸切料金)を初乗り2kmの基本料金として
その距離を超えると車種ごとの従来の80円加算される設定にします。
あとは介助の内容でそれぞれ加算もされるメーター設定です。

どうか公共交通機関の住み分けの大木の一枝の共存に、
ご理解ご協力をよろしくお願いします。

介護タクシーが生まれて20年弱になります。
社会的にも認知され交通弱者の足となり、無くてはならない存在だと
自負しこれからも貢献して参ります。

介助料金分の利用者様の負担が上がった分は自治体のタクシー券の
増額でカバー出来ないものか今後 働きかけたいとも思います。